犬王メモ②QUEENと『鯨』
※パンフが売り切れていて未読なので手に入ったら適宜修正するかもしれない。
※原作はKindleでざっと流し読みしてそれぞれの歌詞もApple Musicで確認済。
↓前回の『腕塚』https://blog.hatena.ne.jp/sekichip/sekichip.hatenablog.com/edit?entry=13574176438102870538
続いて『鯨』
↓動画はこちら
https://m.youtube.com/watch?v=_1tcR73GydI
◾️『鯨』とQUEENについて
2つ目の演目、『鯨』の元ネタは"We Will Rock You"
↓動画はこちら
https://m.youtube.com/watch?v=-tJYN-eG1zk
劇中の観客、なんで初見でコール完璧なん?と思うがこの映画自体、友有が犬王という演目を語っている体をとっているのでその脚色だとすれば筋は通る(なんでもありにはなる)。
フレディ・マーキュリーが観客を煽って「We will we will rock you」を歌わせたり手拍子させたりするが、同じようなライブパフォーマンスが『鯨』でも見られる。
◾️『鯨』の内容・鯨とはなんなのか
ここでの鯨はイルカの群れを指す。スイミーみたいなもん。さらにそのイルカは援軍を暗喩しているので比喩も入れ子構造になっている。下の湯浅監督のTwitterに載せられた画像のとおり、当時は援軍を呼んでも敵についたり、形成不利とみると寝返ったりしていた。
https://twitter.com/masaakiyuasa/status/1531776056914419712?s=21
この『鯨』では援軍が来なかった、ないしは裏切られた平家の無念を歌っており、滅んでもなお援軍が来るのを待っている、といった内容。
ここで援軍の意味を拡張すると、間奏に宗盛コールをいれる観客達とそれを映画館でみる我々もいわば平家の援軍である。
つまり
鯨←イルカ←援軍←劇中の観客←映画を見ている観客(我々)
と四重の比喩になっている。
歌詞が割とストレートな応援歌みたいなところがあるのでこの歌単体で切り取ると上記の比喩の構造以外は比較的書くことが少ない。